MPレーダーはマルチパラメーターレーダーの略称です。
これまでの気象レーダーは、雨粒を水平方向のみで観測を行っていたのに対し、MPレーダーは、水平と垂直の2方向から雨粒を立体的に、きめ細かく観測することができます。 大気中を落下する雨粒は、空気抵抗の影響を受けて上下方向につぶれた形をしています。このつぶれ具合は大きな雨滴ほど大きくなります。(右下図参照) 大気中の雨粒はこのようなつぶれた形をしているため、水平方向での観測と垂直方向での観測に差が生じます。例えば、大きな雨粒の多い雨の場合、水平方向の観測値の方が垂直方向の観測値に比べて大きくなります。 このように、MPレーダーは、雨粒が大きくなるほどつぶれるという性質を利用して雨の粒径分布に関する情報を観測することができます。 |